市販薬でもおなじみ「ミノキシジル」の働きについて解説!
市販薬でもおなじみの「ミノキシジル」。名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。AGA治療をする上で、その働きを理解して使用したいですよね。今回はそんなミノキシジルについて解説します。
<目次>
ミノキシジルとは?
ミノキシジルは、アメリカで1970年代に高血圧患者の治療薬として使われ始めた、血圧を下げる働きがある医薬品です。高血圧患者が服用する中で、副作用として多毛症が発見されました。そこから、再び研究された結果、発毛作用が認められ、世界中で使われるようになったのです。
日本でも、1999年に厚生労働省による正式な許可が降り、薄毛治療薬として使われるようになりました。
効果
ミノキシジルは、もともと血管を拡張し、血圧を下げる目的で作られた薬のため、血流改善の効果があります。血管が広がることで血流が良くなり、髪の毛が成長するのに必要な栄養が頭皮に行き渡り、毛根まで届くことで発毛が促されるのです。
またミノキシジルには、毛母細胞を刺激する効果も期待できます。毛髪の元となる毛母細胞が分裂することで髪の毛は成長します。
毛母細胞の分裂には、成長因子という物質が必要です。ミノキシジルは、毛乳頭細胞に働きかけて成長因子を誘導して毛母細胞を増やすことで、髪の毛の成長を促進させています。
服用方法と有効率
ミノキシジルを配合したAGA外用薬には、いくつかの種類がありますが、ローションタイプや、ゲルタイプなどがあります。
製品や容量によって使用方法は異なりますが、基本的には朝と夜の1日2回、脱毛部分に直接塗布します。一度の使用量などは治療薬によって異なるので、用法・容量は必ず守ってください。
ミノキシジルを配合したAGA外用薬の有効率は、大手製薬会社が行った、ミノキシジル5%の外用剤の臨床試験のデータによると、4週間後には軽度の改善が見られるようになり、約6ヶ月後からは90%以上の方の改善が見られるようになったとの結果が出ています。
副作用
ミノキシジルの副作用には、初期脱毛や皮膚炎、動悸・息切れなどの報告があります。
初期脱毛
初期脱毛は、治療を始めた初期段階でよく見られる症状です。個人差はありますが、使い始めてから約2~8週間ほどで起こることがあります。
初期脱毛には、ヘアサイクルが関係しています。AGAを発症することで休止期になっている毛根が、外用薬を使うことで成長期に移行して、新しい髪の毛によって古い髪の毛が押し出されて抜けるものだとされています。
髪の毛は抜けた後に、再び生えてくるため心配はいりませんが、この時点で治療を辞めてしまうとヘアサイクルが元の状態に戻るため、初期脱毛があっても治療を続けましょう。
皮膚炎
外用薬は直接、頭皮に塗布するため、炎症などの皮膚トラブルが起こる可能性があります。もし肌に合わないと感じたら、すぐに使用を中止して医師に相談してください。
動悸・息切れ
ミノキシジルには、血流促進作用があるため、動悸や息切れといった副作用が起こることがあります。またもともと降圧剤なので、心臓疾患がある方や血圧が不安定な方などは、不整脈や心機能障害が起こる可能性もあるのです。確率としては低い副作用ですが、降圧剤を服用していたり、低血圧だったり、心臓に障害があったりする方は、必ず医師に相談の上、ミノキシジルを使用するようにしましょう。
その他
前述した以外にも、多毛症やむくみ、立ちくらみ、めまい、肝機能障害などの副作用の報告があります。治療中に何かしらの違和感を感じたら、すぐに医師に相談してください。
金額
市販のミノキシジルを5%配合したものだと、1ヶ月分で6,000円程度です。
しかしクリニックで処方されるミノキシジルの外用剤は、ミノキシジルが15%配合されているものもあり、1ヶ月分で9,000~10,000円ほどで、高い発毛効果が期待できます。
ミノキシジルを配合した外用剤
ミノキシジルの濃度によって違いがあります。今はネットを通して海外で安く買えることもできますが、偽物が送られてくるなどトラブルに会う可能性もあるので注意が必要です。そのため、医師が処方したものを購入・使用することをオススメします。
ここでは、当院でオススメの外用剤を3つご紹介します。
M15 60cc(ミノキシジル15%)
「M15 60cc」は、ミノキシジル15%配合の育毛剤です。有効成分を肌細胞に近いカプセル状にすることで、肌への吸収を良くし、最大限に有効成分の効果が発揮する技術を採用しています。そのため、有効成分が皮膚の深い層まで時間差で浸透し、育毛効果が持続します。
また育毛剤を使うことで頭皮がかゆくなる原因となる、プロピレングリコールが使われていないため、頭皮トラブルが起きにくくなっているのも特徴です。頭頂部から生え際まで、頭全体に働きかけてくれます。
【当院で処方する場合】
M15 60cc(ミノキシジル15%):1ヶ月分/9,900円(税込)
フォリックス(ミノキシジル15%)
「フォリックス」は、アメリカのサファイアヘルスケア社が製造している育毛剤です。海外の育毛剤ですが、日本ではなかなかない高濃度のミノキシジルを配合しているのが特徴です。高い発毛効果が期待できます。
フォリックスには、ミノキシジル以外にも、アデノシンとプロキャピル、プロシアニジンB2が配合されています。アデノシンは、日本皮膚科学会が発表した2017年版の「診療ガイドライン」で、Bランクに認められた発毛効果がある成分です。髪の毛が退行期になるのを抑えて、成長期の期間を伸ばす効果が期待できます。
またプロキャピルはDHTの働きを抑制する効果があり、頭皮の血流を促進させる効果があるのです。プロシアニジンB2はヘアサイクルを休止期から成長期に戻す効果が臨床実験で証明されています。
【当院で処方する場合】
フォリックス(ミノキシジル15%) :1ヶ月分/9,900円(税込)
ロゲイン(ミノキシジル5%)
「ロゲイン」は、ミノキシジルを5%配合している育毛剤です。
アメリカのファイザー社で開発され、1980年から世界初のミノキシジルを配合した育毛剤として販売されています。発売から40年ほどの歴史があり、大手の製薬会社による製造ということで、安全性に信頼ができる育毛剤だと言えます。
【当院の処方する場合】
ロゲイン(ミノキシジル5%):1ヶ月分/6,600円(税込)
ミノキシジルも配合されたドクターグロー
ドクターグローは、ミノキシジルやフィナステリドまたはデュタステリド、各種サプリメントを配合したAGA治療方法のひとつ。患者様一人ひとりの薄毛の状態に合った治療を行うオーダーメイド治療の総称です。
ドクターグローの治療を初めて方の多くが、約3~4ヵ月で発毛効果を実感しはじめ、6ヶ月~1年で全体的にボリュームが出てきたと実感しています。
当院では、日本臨床医学発毛協会で集められたデータを、有効的に活用して、処方も含めた総合的な薄毛治療を行っています。専門医がそれぞれの状態に合わせた治療プログラムで行うため、安心して効果的な治療を進めることが可能です。
金額
当院のドクターグローは、3つのコースをご用意しています。
●フィナステリドを含んだ場合
→26,400円(税込)
●デュタステリドを含んだ場合
→28,600円(税込)
●グロースファクター再生療法を導入する場合
→1回:55,000円(税込)/6回セット:264,000円(税込)
この記事では、ミノキシジルとドクターグローについて、解説しました。当院では、患者様の状態やご希望される治療方法でAGA治療が行えます。ご希望に合わせた最適な治療方法をご提案できます。そのすべてを院長自らが試し、安全性と高い効果のあるものだと判断したものばかりです。当院では、豊富な知識と経験のある専門医がAGA治療を行っていますので、ぜひ一度当院にご相談ください。
- 監修
大西 勝 院長
医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院
国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、大阪赤十字病院形成外科、社会保険広島市民病院、 角谷整形外科病院、冨士森形成外科医院を経て、平成9年より大西皮フ科形成外科医院を開業。